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イネのふしぎな力・しぜんのふしぎな力

山形新庄のお百姓Tさんのところで、イネの苗を見せてもらったことがある。ひとつは、通常のハウス栽培で化学肥料をあたえられたイネの苗(こちらをとりあえず「おぼっちゃまくん」と呼ぶ)。もうひとつは完全無農薬で寒い屋外で育てられたイネの苗(こちらをとりあえず、「野生児くん」と呼ぶ)。

素人目にも違いがはっきりとわかる。葉っぱの部分は、「おぼっちゃまくん」のほうが、背丈が高くて緑の色が濃く、一見、ハンサムだけれど、根っこの部分は、「野生児くん」のほうが、だんぜん茂っている。「おぼっちゃまくん」の5倍くらいは、根っこがフサフサしている。そして「野生児くん」は、若竹のようなフレッシュな香りがする。・・・「おぼっちゃまくん」のほうは、香りがなにもない。土から抜いたあとも、「野生児くん」は、3時間たっても、ピンと立っている。一方、「おぼっちゃまくん」は、そのころすでに、クニャーッとして、息もたえだえになっている。

Tさん、いわく、イネの苗は、その年の天候を、あらかじめ予測するかのように、気象が荒れる年には、いつもより根っこを多く増やして、大地にしっかり根づこうと自ら努力するのだという。でも、おぼっちゃまくんの苗では、そうはいかないらしい。

そして、Tさんのところでは、苗を2本づつ田んぼに植える。お互いをささえあって倒れないようにするためではなくて、苗どうしのライバル意識や、はげましあいで、大きく丈夫に育つのだという。まるで人間と同じなのだ。

また、イネではないのだけれど、新庄の人たちは、「かまきりの巣が低いところにあるときは、雪が少ない」と、みんながいう。自分の巣が雪で埋もれてしまわないように、かまきりが、あらかじめ、その年の降雪量にあわせて、巣をつくるのだそうだ。

自然に生きる動植物には、本来、そんな知恵がそなわっている。

愛知県の農業試験場で栽培された、除草剤耐性イネの苗の写真を見たことがある。葉っぱの部分では、ふつうのイネと、なにも変わらないようにみえるけれど、根っこの形状が、イネの苗とは、まったく呼べない代物だった。ふつうの苗は、毛細血管のような細い根っこがモジャモジャと生えているのに、遺伝子組み替えの苗は、毛細血管がほとんどなくて、ほそーい竹のような形をしていた。とっさに「エイリアン」を連想してしまった。

グラウンディングが大事なのは、人もイネも同じだ。とくに、こんな風に異常気象や災害がつづくときは、なおさらだ。野生から遠ざかれば遠ざかるほど、人も動植物も弱くなってくる。(by Hakuru)
by kisan35 | 2004-10-31 14:45 | エコロジー食