人気ブログランキング | 話題のタグを見る
ブログトップ

地球にやさしいスローフードは主婦にもやさしいのか?

近ごろ、スローフードがおおはやり。

「粗食のすすめ」がベストセラーになったあたりまでは、私も拍手かっさいして、「そうそう、日本人は、いろいろ食べすぎ!シンプルな食事でいいの!生命力があるものを食べていれば、おかずもそんなにいらないの!ちょっと昔っぽいメニューで正解。おかずの皿数がへれば、ゴミも洗い物もへるし、毎日のメニューで頭を悩ます必要もないし、なにより、主婦はラクになって、自分の時間がもてるしね。うんうん、スローフードいいねー。」と、日の丸弁当大賛成なのだった。

だいたい今まで、あれを食べねばこれを食べねば栄養が足りない、こんなものが流行っていてみんな食べてますよ、という情報ばかりだったので、主婦は家族や世間の暗黙のプレッシャーを感じて、皿数を増やすために、どんどんデパ地下、コンビ二、レトルト、インスタントを利用するようになっていったところもあるのだ。お料理大好き、時間もたっぷりあるわ、という主婦ならいいけれど、みんながみんなそうではないし。

ごはん、みそ汁、おかずが少々の、ちょっとレトロな食生活なら、見た目バラエティゆたかな無国籍料理屋風の毎日の家庭料理のために、日本だけでまかなえない食材を、はるばるジェット燃料つかって輸入する必要がないし、エビの養殖のためにアジアの樹木がなくなってしまう心配もなくなって、いいことずくめ。(・・・もっとも、今は、かろうじて自給できているのは、お米だけ。味噌、しょうゆの原料も、輸入ものがほとんどだけれど・・・)

・・・でも、最近の日本のスローフードブームは、かなり勘違いしているようなのも、けっこうある。テレビや雑誌の特集でも、「こだわりの食、○○を求めて」、とか、「イタリアでスローなワイン探し」、なんていうのを、見かけるようになってしまった。以前のグルメブームに、スローフードというジャンルが加わっただけのようなのも増えてきたのだ。

イタリアではじまったスローフードは、地元でとれた産物を、昔ながらの料理法で、お料理して食べるのが、基本の考え。地産地消で、エコロジー路線。はるばる出かけていって食材を見つけてくるのは、その土地でとれたものを食べようという基本路線からはずれているし、エコではない。

イタリア人が、イタリアの食材でイタリア料理をつくるのは、あたりまえだけれど、日本でスローフードをするならば、かろうじて日本国内で食材が自給自足できていた時代の料理を作るのが、スローフードの基本理念にかなっているはずだ。・・・そうなってくると、まず、ごはん、みそ汁、ふだんのおかずは、近所でとれた野菜の煮物や和え物、週に2回程度の魚、それも大衆魚。肉は月に1回あるかないかの、ハレのときだけ。

また、ただ手間ひまかけて、こだわりの料理をつくるのがスローフードだと、思われてしまうのも、ズボラ主婦としては困る。食べたい人が自分で作ってくれればまだいいけれど、介護や子供の世話や、仕事をかかえて寝る時間もままならない主婦に、家族が、「うちもスローフードでいきたいから、ナントカのコンフィというフランス料理をつくってくれ」だの「漁師の奥さん手作りのハンペンをつくってくれ」だのと、いいだしたら卒倒してしまうだろう。忙しい主婦を、より忙しくさせてしまうのは、はたしてスローフードといえるのかよくわからない。

テレビや大手の雑誌の食特集が、どんどん大がかりになってゆくのは、やっぱりスポンサーがついていて、より消費する方向へ向かわせているせいなんだろうか。シンプルで地味なスローフードだと絵にならないし、ものが売れなくなるからなんだろうか。だいたい道楽もの風の男性が、まったりとワインや地酒を飲みながら、ごちそうを食べているようなシーンが多い。これもバブリーなころのグルメ特集と、よく似ている。

主婦の生活もスローにさせてくれるのでなければ、スローフードとはいえないんじゃないだろうか。(by Hakuru)
by kisan35 | 2004-11-17 14:12 | エコロジー食